マローヤのヘビ

マローヤのヘビ

 

ヴァルの車を二階の窓からマリアは見送る。

薄闇の迫る部屋で、マリアは机に座り太い字で書く。

「マローヤのヘビ」と。それを見つめる。

自分が排斥し、毛嫌いするヘレナとは違うヘレナ像を

ヴァルは作っている。ヴァルの指摘は正しいのではないか。

迷いが壁のようにマリアの前に立ちふさがる。

この行き詰まりはなんだろう。

これを解かねば演じられない。マリアは苦衷の中にいます。

 

 

 

(「アクトレス~女たちの舞台~」)

 

 

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