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もったいぶった話と虚しい言葉

〜たかが世界の終わり⑳〜

もったいぶった話と虚しい言葉   兄貴はグズい弟の言葉にイライラと一刀両断です。 「お前が何もせず空港で待っていたことを、俺が喜ぶ? 本当かどうか疑わしい話を聞かされている。もったいぶった話と虚しい言葉」兄貴のセリフがいきなり詩人みたいになりました。 「わからない、なぜ戻ってきたのか。誰もわ...

よくわからないけど…

〜たかが世界の終わり⑲〜

よくわからないけど…   ルイはまだこんなことを言う。 「よくわからないけど、兄さんが今朝(空港の日の出やカフェの)話を 聞いたら喜ぶと思って」 この弟は、とぼけているのでないとしたら、かなりKYね。 兄貴が言ってほしいことの察しが皆目ついていません。   (「たかが世界の終...

何も変わったことはなかった

〜たかが世界の終わり⑱〜

何も変わったことはなかった   「何も変わったことはなかった。ここまで来たからって、 世界が終わるわけじゃない」とルイ。 自分が死んだって、知ったことじゃないよねという意味か。 「聞きたくないなら黙っているよ」 そういったとたん「何を言ってる、ちゃんと聞いてるよ」と兄貴。 兄は根本では弟...
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なぜそんな話をする?

〜たかが世界の終わり⑰〜

なぜそんな話をする?!   ルイは「今朝早く空港について、すぐ家に行かず、空港で日の出を見て、 カフェで待つことにした」と兄に言います。 兄は「なぜそんな話をする? 何か言って欲しいのか」と突っかかる。 「そうじゃないんだ。ただ知って欲しかった」 「空港やカフェの話なんか聞かせるな。お前が...

バカはお前だ!

〜たかが世界の終わり⑯〜

バカはお前だ!   この映画の破調を受け持つのが兄貴と妹です。 ルイが昔住んでいた家を見に行きたいと言ったとたん、兄貴がガナリだす。 「何が悪いの、見に行って。バカな口出し、しないで」と妹。 ルイはうろたえ「僕はただ行って見たくて」 「20年掛かってやっと出た家を見に行く?」 今の家に移...

悲しくて苦しくてやりきれなくて

〜たかが世界の終わり⑮〜

悲しくて苦しくてやりきれなくて   ルイのパートナーとの回想です。 歌が入ります。 「悲しくて苦しくてやりきれなくて わかっているんだ、君の気持ちはまるでゼロ 今までずっとうまく隠そうとしてきたね 気づいたんだ ふたりの間に入った深いヒビ、横にもタテにも」 センチメンタルでほろ苦く、...

今もゲイ地区に?

〜たかが世界の終わり⑬〜

今もゲイ地区に?   「今もゲイ地区に?」と母。 「いや、もう引っ越したよ」とルイ。 「住所を教えたくないの? 母親なのに。 あなたって子はまだ気づいていない。まだ愛されていないと思っているのね。 自分は理解されていないと? その通りよ。 あなたを理解できない。でも愛している。誰もこの愛...

もう戻らない気ね

〜たかが世界の終わり⑫〜

もう戻らない気ね   母親は息子のとらえどころのない冷たさに、何か理由があると気づきます。 それは家族に対する憎しみからでもない、嫌がらせからでもない、 理由は教えてくれないけど、ただもう戻らない気なのだと。 ルイは自分の死など家族にとっては「たかが世界の終わり」だと思う。 疎外感もここま...

三言だけ、昔からそう

〜たかが世界の終わり⑪〜

三言だけ、昔からそう   「三言だけ」と母親が言うのは、昔からはルイは受け答えを三言で すませるかららしい。 会話が成り立つことばの量か、そうでないか、わかりませんが、 母親としてはもっと話してほしいにちがいない。 息子のことを知りたい、自分のことも知ってほしい。 でもルイは「答える言葉...
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夫の仕事が何か知っています?

〜たかが世界の終わり⑩〜

夫の仕事が何か知っています?   あなたは家族の何を知っているか、夫の仕事を知っているか、他のことも、 と逆に兄嫁は訊きます。 ルイは答えられない。彼が家に帰ってきて、まるで捨てられたような扱いを受けているのは、 先に彼が家族を捨てたからです。 それを誰も責めていないけれど、兄貴も妹も根が...