バカはお前だ!
この映画の破調を受け持つのが兄貴と妹です。
ルイが昔住んでいた家を見に行きたいと言ったとたん、兄貴がガナリだす。
「何が悪いの、見に行って。バカな口出し、しないで」と妹。
ルイはうろたえ「僕はただ行って見たくて」
「20年掛かってやっと出た家を見に行く?」
今の家に移るまで、貧しい頃もあったのでしょうね。
兄貴は一身に働き、やっと脱出した。ルイも妹も、まだ小さかったから
そんな苦労は知らない。だから兄貴にしたら「人の苦労も知らないで」
アタマにくる。アントワーヌという人、野蛮人みたいですが、
ルイみたいな作家じゃなし、婉曲な、微妙な言い方ができなくて
ソンしていると思うのです。