ただでは渡せないね
ホリガイがオカノにアンケートを回収しようとした。
すごい、30人分はある。よく協力してくれた。
ありがたく手を出すと
「タダでは渡せないね」オカノは用紙の束を引っ込めた。
ホリガイ、人差し指と親指で小さな丸を作り
「お金?」
「違う、明日の西洋哲学史に出て、ノートをとってくる」のが
交換条件だ。
「それまでアンケートは人質としてとっておく」
そんなことか。楽勝。でもその授業は一限目だった。
夜ふかし朝寝坊のホリガイは固まる。
〜「君は永遠にそいつらより若い」〜