男と寝れば死を忘れるとでも?
祭りの夜、アレックスとうまく行ったかとジェーンが訊く。
庭いじりをしながらロビンは不機嫌を隠そうともせず
「私がHIV陽性だと教えたのね。男と寝れば死を忘れるとでも?
恐怖を思い出させるだけよ。アレックスもホリーも赤ん坊も、
命あるものすべてが」
「じゃどうするの。閉じこもって息を潜める?」
「ゲイのあなたにはわからないわ」
ロビンの言葉はトゲトゲしい。
「私の目の前から消えて! うちから出てって。
ピアノも持って行って。出ないと雨ざらしにするわよ!」
ジェーンは逆らわず出て行くことにした。
〜「ボーイズ・オン・ザ・サイド」〜