逃げないで聞け!
理事長が「閉鎖まで波風立てないでくれ」と言っているのが聞こえた。
生徒たちはショックだ。
「閉鎖だって」
「冗談じゃねえ。家族全員が退学している。俺までごめんだ」
スケッチはせめて自分くらい卒業したい。
「アフリカ人の魂を見せてやる」きっぱり言ったのはアマールだ。
黒人ゆえの差別を、身をもって経験してきた問題意識の高い生徒です。
彼は呼びかけた。
「ちゃんと聞け。茶化すのは君たちの悪い癖だ。逃げないで聞け。
白人社会の罪を考えろ。我々は土地と名誉と遺産を奪われた。
祖先の魂を奪われた」彼の迫力に、
クラスメートは自分たちにも魂がある、
社会に訴え、社会を変える力があると気づく。
〜「天使にラブ・ソングを2」〜