愛していると言ったのに
恋愛経験はあるがロビンはどことなく寂しげだ。
「別れて初めて、あれが最後のセックスだったとわかって
寂しくなるのよ。そうわかっていればもっと大切にしたのに」
ジェーンは黙って聞いている。
気を取り直すように「部屋に小包が」と言った。
ジェーンが部屋に戻ると、
それは大きな赤いリボンのついたピアノだった。
ロビンのプレゼントだ。長いこと歌っていなかった。
「ずっと遠く はるか昔のこと あなたと恋に落ちた
愛していると言ったのに 忘れたの
ここに戻ってくると言ったのよ」
ジェーンの低い弾き語りを ロビンが聴いている。
〜「ボーイズ・オン・ザ・サイド」〜