僕は神の手を握らない

僕は神の手を握らない

 

ルシアンが枕に顔を埋めて泣く。

ジョルジュが慰める。

「君にはわからないよ。放校の原因は僕とのことだ。

彼から贈られた詩を失くしてしまったんだ。

誰かが密告した」

「校長は僕らの友情を祝福するって。明日のミサに出ろと」

「神の救いの手だ。だが僕はその手を握らない。

たった今から僕は転向する」

恋人を失ってルシアンはヤケクソ気味だ。

ジョルジュはしゃあしゃあと神様の側につくようだ。

少年から青年に移る過渡期を彼らはどう乗り切るのでしょう。

〜「寄宿舎〜悲しみの天使〜」〜

 

bn_charm