楢原さんが亡くなった
真奈の職場であるレストランの責任者、楢原さんが自殺した。
次席であるシェフの国木田が警察で事情聴取を受けた。
風呂場で首を攣ったそうだ。
「楢原さんは経営企画部で活躍していたけど、
上司と意見が合わず飛ばされたらしい」
彼は真奈に理解があった。
「ここでの仕事が嫌だったんですかね」
詮索しても仕方ない。理由はどうあれ、いないのだ」
もういない…真奈がふと口に出す。
「親友が帰ってこないのです。津波で。
楢原さんはどんな風景を見て亡くなったのだろう」
このセリフはラストシーンの伏線となります。
〜「やがて海へと届く」〜