思い出した
海岸でゴミ拾いの社会奉仕活動していたアレックスは
堤防に座る青年に声をかけます。
「やあ、思い出した。友達と酔った君を介抱したね」
むさ苦しい髭をさっぱり剃り落とした彼は、
なかなかのイケメンです。
「海に出ないか。カリプソというヨットがあるんだ」
親しげに話しかけるアレックス、
それはいいのですが「カリプソ号」ってダヴィドのヨットじゃない。
いつからアレックスの所有では?
「君のヨット?」と男は訊く。
「今はね。行こうか」
なんだ、この展開は? ややアッケよ。
死んだらダヴィドに会えるとまで苦しんでいたアレックスは
死なずに別のいい男に出会ったわけね。
〜「Summer of 85」〜