ほんの一瞬も離れたくなかった

ほんの一瞬も離れたくなかった

 

たぶん彼を愛していた。

愛したら満たされると思っていた。

でもどんなに愛しても足りなくて、

ほんの一瞬も離れたくなかった。

彼と2人でいる時も満たされなかった。

見つめて触れていつも一緒にいたかった。

あの362万8800秒を。

よくある愛の言葉ですが、オゾン映画で

こんな率直な吐露は珍しい。

他の映画ではもっと韜晦した表現をよく用いていますが、

本作は思いきりストレートです。

こういう言い方しかできない時代が人にはあるのだと

オゾン監督はいいたげです。

 

バックの映像はバイクを駆る2人乗り。

サングラスが実によく似合うダヴィド。

ダヴィドの背中に頬を押し当て、金髪がなびくアレックス。

思わずうっとり。

 

〜「Summer of 85」〜

 

 

bn_charm