ここで止まれ

 

ここで止まれ

 

「ここで止まれ」箱のような荷車を押す男の声。

ネグリジェのような水着を着たシャーロットの足元の床は板張りで、

隙間から寄せて引く波が見える。

大きな箱車の出口に、取り付け自由な梯子階段が置かれた。

目の前は灰色の冬の海だ。波は高い。

こわごわ梯子を下り、海に入った途端、最初の波で埋没。

引き返そうとしたら寄せる波をもろ背中に受け、よろめいたところを

次の波で沈没。

ものの３分、ゲホゲホ言いながら梯子にすがりついた。

 

 

〜「アンモナイトの目覚め」〜

 

 

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