お母さまは美人だった
アントワーヌは再びベルナデットを島に訪ねた。
母親の思い出を聞き出そうとするが彼女は詳しく話そうとせず
ブランシェ(祖母)に渡してほしいと
クラリスの遺品の入った箱を渡した。
「お母さまは印象的な美人だった。現れるとみなが注目する。
マントンのつましい家の出身と陰口を言う人もいたけど、
私たち使用人にも気さくに話をする方だった」と彼女は言った。
実家があまり裕福でないことが、
姑のクラリスへの扱いに表れたことが、
なんとなくほのめかされる微妙なセリフです。
〜「ミモザの島に消えた母」〜