「サラーッ!」

 

「サラーッ!」

 

女王には痛風の持病があります。

運動不足と肥満が原因という説もありますが、とにかく痛い。

「サラーッ!」絶叫が響き渡ります。

「ここよ、そばにいる」サラは甲斐甲斐しく

「ブランデーを飲ませて。ナマ肉を当てて」とつききりで指示を出す。

痛みにうめく女王に「私たちの出会いは?」と話しかける。

「意地悪な男の子が私を押さえつけ、顔じゅうにヨダレを垂らした」

「最低ね。それから?」

「足音が聞こえた。ピンク色の靴が近づいてきて視界から消えた。

蹴る音がして男の子が倒れた。あなたは私の手を取り、

サラよ、ヨダレを拭かなくちゃ、と言った…サラ、まだいるの?」

「ええ」サラに話しかけることが女王の気持ちを落ち着かせる。

こういう人間の関係って時代を問わない。上下も問わない。

 

 

(〜「女王陛下のお気に入り 」〜 )

 

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