宮廷からお立ち退きを

宮廷からお立ち退きを

 

サラが手紙を暖炉にくべている。

ああは言ったが女王を裏切れなかった。

女王は違った。サラを棄てた。

使いが来た。

「鍵を返却し、本日中に宮廷からお立ち退きを。

拝謁は許可なさらぬそうです」

サラなしでは「無」だったはずの女王に

かくも電光石火の行動が取れるとは。

サラは専制君主の怖さを甘く見ていたのかもしれません。

女王の判断が適切か否かはともかく。

 

 

〜「女王陛下のお気に入り」〜

 

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