「嫉妬ね」「嫉妬?」

「嫉妬ね」「嫉妬?」

 

 シャツを脱ぎ、靴を脱ぎ、靴下を脱ぎながら

「ベルンとそういう関係? つまり付き合っているの?」

「彼を好きなの」とヴァル。

「何よりだこと」とマリア。

 ブラジャーとガードルだけになったヴァルが「嫉妬ね」

「嫉妬?」笑いを含んだ声でマリアが訊き返す。

「多分ね。わたしの若さや考え方や愛情に」

「嫉妬はしていない。彼氏ができて何より。すぐ飽きるわ」

「今度話す」

「話さないくせに。話してくれても信じていいかどうか」

「好きにして」

 ジャブジャブ水に入り、キャーキャー言っている。

 心の内を悟らせないけど、マリアがヴァルの恋人らしき

 存在を気にしているのがわかります。

「すぐ飽きるわ」なんて、話を聞く前から否定したそう(笑)

 

 

 

(「アクトレス~女たちの舞台~」)

 

 

bn_charm