ふたりとも楽しんでね
You two have wonderful night.
キャロルの言葉を聞いて、テレーズは肩で息をします。
何かいいかけたとき、テレーズの友人が声をかけてきた。
キャロルは未練気もなく席を立ち、「ふたりとも楽しんでね」
テレーズの肩に手を置きます。このときテレーズは目をつぶります。
人が目をつぶるとはどういうときか、
目をつぶると人はどんな思いがするのか。
そこで閉じてみてください。
ルーニー・マーラがカンヌ国際映画祭女優賞をとったのは、
まさかこのシーンだけの演技ではないでしょうが、
素晴らしかった。ラストシーンについては
「シネマ365日」や本欄の「キャロルパート1」「2」で
くどくど書いてきたので省きます。
書けば書くほど深読みできる、それだけ内容のある映画でした。