大家さんが中へ入れてくれたわ

大家さんが中へ入れてくれたわ

Your landlady let me in.

 

アビーと別れてキャロルがやってきたのはテレーズのアパート。

無作法ではないが、遠慮もしていないノックの仕方に、

テレーズが出るとキャロルが戸口にもたれ、笑顔である。

アビーと話して鬱憤が晴れたうえ、

お気に入りのテレーズの顔を見て機嫌がいい。

「大家さんが入れてくれたわ」

「私を招待して」といったけど、さっさと自分からきました。

この日はクリスマス・イヴ。

「開けて」

特別に用意した贈り物を、キャロルのほうがうれしそうに

急かしています。

 

(「誘惑者キャロル」)

 

 

bn_charm