実現したわね
ルイーズが、警察に不信があり、裁判にも通じているのをテルマは不思議で
「前に経験が? レイプ?」と訊く。
ルイーズは色をなし「二度とその話はしないで!」
剣幕に恐れをなし「わかったわ。二度と。絶対に」テルマは誓う。
思えば彼女らはとても孤独でした。
ルイーズは家族もなく、ウェイトレスとして働き、いるのは親友のテルマだけ。
テルマは結婚したものの家と夫に縛り付けられ、家財道具のようにみなされ
留守にする自由もない。
「ずっと旅行に憧れていたの」
「実現したわね」
テルマの境遇をいたわるときのルイーズの口調はとてもやさしいのです。