CINEMA

何をきかされたってよかった

〜ゲイ・アイコン④エリザベス・テイラー〜

  「ええ、あなたを取り返すためなら何だってしたわ。あなたが男を愛していると、たとえ何を聞かされたってよかった、そんな気持ちだった。」 夫(ポール・ニューマン)はゲイだ。 友人を愛している。 友人はゲイを苦に自殺した。 夫は妻(エリザベス・テイラー)に指も触れなくなった。 夫は妻が友人の泊...

愛しています。それを言いたくて

〜ゲイ・アイコン③エリザベス・テイラー〜

  「愛しています。それを言いたくて。」 モンゴメリ・クリフトはリズのプロポーズを拒否した、たったひとりの男性です。 彼はゲイで、リズに対しては妹のような愛情だったのでしょう。 上のセリフは「陽の当たる場所」のラスト。 死刑が執行される直前の恋人モンティ(モンゴメリ)にリズは面会に来た。 ...

マミー

〜ゲイ・アイコン②エリザベス・テイラー〜

  「マミー」「わたしはママじゃないわ」…「マミー」 小さな娘を過失で亡くした娼婦のリズが、ちょっと神経のおかしい女、ミア・ファーローと出会う。 彼女はリズを勝手に「マミー」と呼ぶ。 彼女は母親を亡くしていた。 リズは気味悪がるが、妙な女は強引に豪邸の自宅に招き、おいしい食事を作る。 リズ...

シドニー、聞きたいことがあるの

〜ゲイ・アイコン①マリー・アントワネット〜

  「シドニー、聞きたいことがあるの」 マリー・アントワネットはゲイ・アイコンの中でも突出したビッグです。 王妃の女性関係は多くの流布がありますが、映画「マリー・アントワネットに別れをつげて」は、元朗読係シドニーの献身という形を取っています。 シドニーが主人公ですから、王妃に点が辛くなっている...

わたしの大きな輝かしい罪と

〜ふたりの詩人〜

  「死後も毎夜彼と会っている。わたしの大きな輝かしい罪と。」 映画ではふれませんが、ヴェルレーヌはランボーと別れたあと、田舎の中学校に教職を得、美少年リュシナンに恋し、彼とイギリスに渡る。 離婚した妻と和解を図るがムダに終わり、リュシアンを伴い帰国、リュシアンが死に、彼の故郷で堕落の日を送り、...

ぼくを愛しているか?

〜ふたりの詩人〜

  「ぼくを愛しているか?」 「ぼくを愛しているか」とランボーが聞く。 「もちろん」とヴェルレーヌ。 「では手を卓の上に。てのひらを上にむけて」 その通りにすると、ランボーはナイフをヴェルレーヌのてのひらに突き刺す。 ふたりが初めてあったとき、ヴェルレーヌはアブサンを注文した。 きれいな...

アブサン2杯

〜ふたりの詩人〜

  「アブサン2杯」 ヴェルレーヌがランボーの死後、妹のイザベル・ランボーと会ったとき。 場所は居酒屋。 イザベルの前に座ったヴェルレーヌが「アブサン」を注文する。 1杯運ばれてくる。 じゃ「アブサン2杯」はなに? これがね、せつないのですよ。 そのわけは、またあした。 ...

チャイナ・ブルー

〜愛しのヘンタイ/ケン・ラッセル〜

  「チャイナ・ブルーは?」 ケン・ラッセルさま、あなたは後世の映画ファンのために、よくぞこの映画を残してくれました。 主演がアンソニー・パーキンスとキャスリン・ターナー、監督があなた。 これだけで脳幹が妖しくなります。 パーキンスは牧師、ターナーは大銀行のキャリア・ウーマンにして夜は娼婦。...

男が女に望むのは抜群の体とセックス

〜愛しのヘンタイ/メアリー・ハロン②〜

  「性格のいい女はいない。男が女に望むものは抜群の体とセックスの要求に応じ、しゃべらないこと。性格がよく、アタマがきれ、ユーモアや才能のある女は決まってブスばかり。魅力のなさの埋め合わせだよ。」 メアリー・ハロンが「アメリカン・サイコ」で、女性監督ならでは、のセリフを男にいわせています。 主人...

むせび泣くようにささやく

〜愛しのヘンタイ/メアリー・ハロン①〜

  「カーミラはわたしをひきよせ、頬に冷たい唇を這わせながらむせび泣くようにささやく。あなたはわたしのもの…」 「アメリカン・サイコ」のメアリー・ハロン監督作品。 「アメリカン…」は「2」が作られるヒットとなった。 本作「モスダイアリー」の主役のひとり、サラ・ガドンはデヴィッド・クローネンバー...