CINEMA

お静かに。楽団はいません

〜愛しのヘンタイ/デヴィッド・リンチ①〜

  「お静かに。楽団はいません」 デヴィッド・リンチにすれば、この映画がどういわれるかわかったうえで、 「お静かに。楽団はいません」と、 劇中タネ明かしのヒントをいれておいたのでしょうね。 女優を夢見てカナダからやってきたナオミ・ワッツが、 同じ女優志願の女性ローラと愛し合うが、彼女は...

なぜ? 美しいだろ?

〜みごとなどんでん返し⑤〜

  「止めさせましょう」「なぜ? 美しいだろ?」 ベルダルド・ベルドリッチの28歳のときの「暗殺の森」なんか、 今にしてみると、 逸脱だろうが妄想だろうが美しいものは美しい、 という彼独特の突き放し方がよく表れています。 ドミニク・サンダとステファニア・サンドレッリがタンゴを踊っている、 ...

IQ200

〜みごとなどんでん返し④〜

  「IQ200よ。やろうと思ったことは何でもやる子よ。」 しまいに「まだあるの?」とあきれるほど、 つぎつぎ見せてくれる「どんでん返し」のオンパレード。 ホラーでもなく、サスペンスでもなく、アクションでもなく、 陽光あふれるフロリダを舞台に、学園モノ・青春モノで、 ここまでひっぱるのはあ...

みんなにビールをおごってやってくれ

〜みごとなどんでん返し③〜

  「みんなにビールをおごってやってくれ」 どんでん返しNO.1を争う感動作。 無実の罪で服役中のアンディ(ティム・ロス)は元バンカー。 刑務所幹部の、相続税を逃れる方法を教えてやり、 礼のかわりに「みんなにビールをおごってやってくれ」と頼んで、 囚人たちの心をつかむ。 所長の裏金作り、...

おれはもう終わりだ、自殺しかない

〜みごとなどんでん返し②〜

  「おれはもう終わりだ、自殺しかない」 イギリスの名優マイケル・ケインと現代のアポロ、 クリストファー・リーヴスが愛人同士を演じ、 莫大な妻の遺産相続を狙う。 妻は計画通り心臓発作で死んだ。 うまくいったはず、なのに… 若い愛人の不審な行動に、主人公の疑惑はふくれあがる。 登場人物は...

ぼくは君のものだ、永遠にね

〜みごとなどんでん返し①〜

  「今そばにいられなくても、ぼくは君のものだ、永遠にね。ぼくはそこにいる。いいね。」 恋人フィリップのために、ありとあらゆる手練手管で脱獄を繰り返した男スティーブ。 IQ169の天才的頭脳を詐欺に注ぎ込んだ犯行のかずかずは天下無敵だった。 しかしさすがの彼もエイズ発症によって年貢の納め時...

彼を、5年たってあきらめた

〜よくわからん女性〜

  「手紙の返事は2ヶ月でこなくなった。彼を、5年たってあきらめた。」 コペンハーゲンの港から北極に行った恋人をアンナは待っている。 予定の3ヶ月がすぎても帰ってこない。 5年間音信不通。 ふつうに考えればシロクマに食われたのか、事故死か蒸発でしょ。 アンナはパリに出て女優と恋仲になる...

ふたつの性がひとりのなかにいる

〜ふたつの性〜

  「ふたつの性が、ひとりの彼のなかにいるのです。」 ひきつづきブライアン・デ・パルマ監督です。 パルマ贔屓だから言うのではないけど、本作も佳品です。 やたら殺しが出てくるのと、 女が脱いだパンティを情事の現場に忘れる、 なんて首をひねるところが玉に瑕ですが。 サングラスに黒いコートとい...

「以前どこかで?」「夢の中で」

〜デジャ・ヴ〜

  「以前どこかで?」「夢の中で」 ブライアン・デ・パルマ監督の騙しのテクがぎっしり。 小ぶりだけど文句なく面白い。 カンヌ映画祭の会場から1000万ドルのダイヤ強奪計画。 しかもダイヤはスーパーモデルが身につけているビスチェだ。 レベッカ・ローミン=ステイモスが、これ以上イヤな女はいない...

リルのせいか!

〜ゲイ・アイコン⑮ ナオミ・ワッツ〜

  「リルのせいか!」 リル(ナオミ・ワッツ)とロズ(ロビン・ライト)は親友同士。 リルの息子とロズが、ロズの息子とリルができちゃう。 親友同士は悶々とする。どうってことないと思うのだけど。 それより本質的な問題はリルとロズだ。 リルはシングルだけど、ロズは夫がいる。 彼はシドニー大学の...