キム・ヒエ

一緒にお酒でもどうですか

〜 「ユンヒへ」15〜

一緒にお酒でもどうですか   ジュンは獣医です。 「緑の森どうぶつ病院」という診療所を持っている。 リョウコさんという若い女性が捨て猫を連れてきて診察した。 一緒の帰り道、綺麗な月だった。 ジュンが何かいいかけてくちごもり、 ごく普通の、当たりさわりのない言葉で後を続...

あなたの夢を見た

〜 「ユンヒへ」13〜

あなたの夢を見た   車を降りて歩いて帰るジュンに手紙のナレーションがかぶさる。 「きのう、あなたの夢を見た。 あなたの夢を見た日はあなたに手紙を書いたわ。 でも結婚して家庭のあるあなたに、出すことはできなかった。 そうしていたらあなたに話したいことが募っていって 毎...

韓国の男性、紹介しようか

〜 「ユンヒへ」12〜

韓国の男性、紹介しようか   ジュンの従兄が葬儀の帰りの車で 「ジュンちゃん、どうして結婚しないの?」と訊きます。 「韓国の男性、紹介しようか。軽い気持ちで会ってみない?」 ジュンは気難しそうに黙っています。 「写真ホルダーにその人の写真、入っているよ」とスマホを渡す。 ...

小樽はあなたにも似合う

〜 「ユンヒへ」11〜

小樽はあなたにも似合う   本作はジュンとユンヒの往復書簡と言ってもいい映画です。 手紙のナレーションの背景に、いろんなシーンが挟まります。 この部分はジュンの父親の葬儀です。 手紙「私のおばさんを知っているよね。マサコ叔母さん。 私は叔母と小樽で暮らしているの。 叔...

なぜママを選んだと思う?

〜 「ユンヒへ」10〜

なぜママを選んだと思う?   団地のポストに入っているジュンからの手紙をユンヒは見た。 セボムが入れ直しておいたものだ。 その夜、ユンヒが手紙を読んだとわかっている娘が訊いた。 「ママ、寝た? 私は眠れない。 パパとママが離婚したとき、どうしてママを選んだと思う? マ...

「どうしたんだ」「何でもない」

〜 「ユンヒへ」9〜

「どうしたんだ」「何でもない」   机に突っ伏しているセボムにボーイフレンドのギョンスが 「どうしたんだ」「何でもない。自分のクラスで遊んで」 私はあなたと違って悩んでいるのだと言わんばかり。 ギョンスは拾ってリメイクした手袋をセボムの首筋に置いてやる。 マフラーの代わりで...

みな母親と海外旅行いくのだって

〜 「ユンヒへ」8〜

みな母親と海外旅行いくのだって   セボムが 「ママ、恋愛しちゃえば? まだイケてるよ」 ユンヒは取り合わない。 本題に入る。 「大学に入る前、みんな母親と海外旅行、行くのだって。 ママ、行けるよね」 連れて行ってくれという催促ですが、目的は単なる旅行ではない。...

ママ、何のために生きているの?

〜 「ユンヒへ」7〜

ママ、何のために生きているの?   「若い頃、ママ、モテたって? 叔父さんに聞いたわ」 そしていきなり 「ママ、何のために生きているの?」 ユンヒは戸惑い、ややあって 「子供のためよ」と答えます。 「わかった。でもその必要ないよ。私、ソウルの大学に行くから 迷惑...

人を寂しくさせるんだ

〜 「ユンヒへ」6〜

人を寂しくさせるんだ   「ママと別れた理由は?」 パパを職場に訪ねたセボムはそう聞いた。 タバコをやめたパパはキャンディをセボムにすすめる。 言いにくい答えの時間稼ぎみたいです。 「理由はともかく、パパとママはセボムに悪いことをした」 そんな話じゃないとセボムは食い...