なぜママを選んだと思う?
団地のポストに入っているジュンからの手紙をユンヒは見た。
セボムが入れ直しておいたものだ。
その夜、ユンヒが手紙を読んだとわかっている娘が訊いた。
「ママ、寝た? 私は眠れない。
パパとママが離婚したとき、どうしてママを選んだと思う?
ママはパパより寂しそうだったからよ。
一人では生きられないだろうと思って、ママと一緒に
いることにしたの。
でも間違いだったかも。私はママのお荷物だったみたい」
これは母親が自分を嫌っているとか愛していないとか
いう意味じゃないのです。セボムはひょっとして
母親には父よりも自分よりも、
愛している人がいるのではないかと思ったのです。
〜「ユンヒへ」〜