みな母親と海外旅行いくのだって
セボムが
「ママ、恋愛しちゃえば? まだイケてるよ」
ユンヒは取り合わない。
本題に入る。
「大学に入る前、みんな母親と海外旅行、行くのだって。
ママ、行けるよね」
連れて行ってくれという催促ですが、目的は単なる旅行ではない。
セボムには知りたいことがあった。
母は自分を愛してくれている、理解もある、美人で頭がいい、
でもわが母ながら、娘にさえユンヒはとらえどころがないのだ。
心ここにあらず、という不可解なものがある。
娘はそれを解く鍵が小樽にあると確信していた。
〜「ユンヒへ」〜