シャンティ・ルネイ

「ぱ ん か い」

〜「TOVE トーベ」(14)〜

「ぱ ん か い」   ヴィヴィカがボトルを1本下げてトーベの部屋にきた。 「ぱんかい」とグラスを合わせる。 ビフスラン・コフスラン語で「かんぱい」だ。 ヴィヴィカはアトリエの絵を調べあげるように見て 「じょうき(正気)じゃないわ。イカれてるわ。もっと見せて」 トーベ...

脚本の話をしましょう

〜「TOVE トーベ」(13)〜

脚本の話をしましょう   サルトルの「恭しき娼婦」のポスターがある。 演出:ヴィヴィカ・バンドラーだ。 トーベはこっそりリハーサルにきて隠れるように後ろに座る。 不審者みたいに咎められたトーベが謝って出て行こうとすると 「ヤンソンさん」ヴィヴィカが最前列から呼び止めた。 ...

息を呑むほど華麗な竜が

〜「TOVE トーベ」(12)〜

息を呑むほど華麗な竜が   でもやっぱりアトスは気になる。女性と寝るとは 「教えてくれ。どうだった?」 「息を呑むほど華麗な竜が舞い降りたようだったわ。 私は襲われて空に連れ去られた感じ」 「その竜はまだ腹を空かせているのかい? また君を襲うかな?」 トーベにも...

女性と寝たわ

〜「TOVE トーベ」(11)〜

女性と寝たわ   トーベはアトスに打ち明けた。隠し事のできないたちなのです。 「部屋を見つけたの。古い家に。 秘密の部屋と言う意味よ。心の中の部屋。女性と寝たわ。 どんな気持ち?」 アトスは紳士です。驚きを隠し、批判もせず 「興味深い経験をしたね。君は自由を試したのだ...

「トフスラン」「ビフスラン」

〜「TOVE トーベ」(10)〜

「トフスラン」「ビフスラン」   「トフスラン」とヴィヴィカはトーベに 「ビフスラン」とトーベはヴィヴィカに呼びかける。 2人の秘密の言葉が出来上がった。 トーベは書く 「二人は不思議な喋り方をしながら谷に降りて行ったのです。 誰にわからなくても二人は通じ合っていたの...

「よく眠れた?」「実は…全然」

〜「TOVE トーベ」(9)〜

「よく眠れた?」「実は…全然」   豪華な寝室で目を覚ましたトーベをヴィヴィカが来室する。 「よく眠れた?」「ええ。いえ、実は全然」 家人は出かけて家はヴィヴィカとトーベだけらしい。 ベッドインしたふたりは睦言を交わす。 ノック。ヴィヴィカ「どうぞ」二人とも裸だ。 ト...

女とキスしたことは?

〜「TOVE トーベ」(6)〜

女とキスしたことは?   でもヴィヴィカは不作法な子供のようなトーベが木にいる。 「あなたの絵が大好き」 「本当?」 気が強いだけで根が純情なトーベはすっかり嬉しくなる。 パーティをよそに雪の積もったベランダで タバコをふかし、踊る。 ヴィヴィカが訊く「女とキス...