ゲイ映画のキメ台詞

つまらない上っ面のところで

〜 「やがて海へと届く」7〜

つまらない上っ面のところで   すみれと真奈はどこかに行くらしい。 ガラ空きのローカル線で、すみれが真奈を撮っている。 元カレを真奈が 「つまらない上っ面のところで好きだったんだね」と 他人事みたいに言っている。 すみれはしっかり聞いている様子でもなく、 さかん...

「私はすみれ」「私は真奈」

〜 「やがて海へと届く」6〜

「私はすみれ」「私は真奈」   「いやな気分にさせたらごめんね」とすみれは謝り、 「あの店のから揚げ、サイテーね。 何かおいしいもの、食べに行かない?」と誘った。 二人は向き合い「私はすみれ」「私は真奈」 ここから物語は始まりました。   〜「やがて海へと...

ごめん、この子と付き合ってるの

〜 「やがて海へと届く」5〜

ごめん、この子と付き合ってるの   席に戻る。 「彼氏、いる? いない? まだ? じゃよろしくお願いしま〜す」 言い争ってからかう男子らに、 真奈は対応がわからない。 ぼんやりしているといきなりすみれがキスした。 「ごめん、私、この子と付き合ってるの」 そ...

噛まないでね

〜 「やがて海へと届く」4〜

噛まないでね   イッキ飲みで気分が悪くなった真奈がトイレに行く。 苦しいのだけど、吐けない。 すみれが気遣って入ってくる。彼女はそれとなく 真奈の不慣れな様子に気を付けていた。 「吐けないの?」すみれは手早く真奈の髪をショウショでまとめ うつむかせると「噛まないでね...

私もいいですか?

〜 「やがて海へと届く」3〜

私もいいですか?   真奈とすみれの出会いは大学の新入生入部歓迎会だ。 プラカードやビラを手にした在学生が 口々に勧誘する。真奈はうろたえていた。そこへ 「私もいいですか、新入生です」と割って入ったのがすみれだ。 真奈はホッとした。 おっとりした真奈とシャキシャキした...

すみれの部屋は?

〜 「やがて海へと届く」2〜

すみれの部屋は?   すみれと遠野が暮らしていたアパートに来る。 「すみれの部屋は?」と真奈が訊く。 すでに遠野が整理し、部屋は空っぽ。 隅にあった段ボールに、 猫のポーチ、すみれ愛用のビデオカメラがあった。 すみれはここにいたんだ。残った品の一つ一つに触れる。 ...

こんなときは早いんだね

〜 「やがて海へと届く」1〜

こんなときは早いんだね   真奈(岸井ゆきの)が遠野(杉野遥亮)とロビーであっている。 遠野がすみれ(浜辺美波)の実家に遺品を届けにいくという。 「こんなときは早いんだね」と真奈。 すみれが行方不明になって5年。東日本大震災で被災したと考えられ、 関係者たちは彼女が死んだも...

トーベの愛が眩しすぎた

〜「TOVE トーベ」(45)〜

トーベの愛が眩しすぎた   絵画のほか、トーベは小説の超短編を書き残している。 中でも改訳なった「誠実な詐欺師」は評価が高い。 海辺の兎屋敷に住む女性画家の物語は ムーミンに行き詰まったトーベがポスト・ムーミンとして 開いた新境地でもあります。 ヴィヴィカとアトスとは...

これを渡したかった

〜「TOVE トーベ」(43)〜

これを渡したかった   トーベの父親が亡くなりました。 生前厳しいばかりでトーベを褒めたことがなかった。 トーベも父を避けていた。 母親が「これを渡したかった」と言って見せた遺品は 娘の舞台公演のパンフレット、新聞の切り抜き、チケットの半券、 ありとあらゆるトーベの足...