ゲイ映画のキメ台詞

行先はノアールムーティエ島

〜「ミモザの島に消えた母」(3)〜

  行先はノアールムーティエ島   唯一の理解者は妹のアガットだった。 もやもやした霧の中で手探りしている兄に 「兄妹水入らずの週末はどう?」と提案する。 「行先はノアールマーティエ島。あの人の命日に一緒に飲みましょ」 母と言わず「あの人」というのが耳障りだが ...

あなたにとっても辛い過去だ

〜「ミモザの島に消えた母」(2)〜

  あなたにとっても辛い過去だ   家族の中で浮いた存在になったアントワーヌはセラピーに通っている。 セラピストは「お父さまと話す時間は?」 「父にとっては辛い過去なので」とアントワーヌ。 父と息子の間に少なくとも母親の話題で会話がないことを セラピストは感じる...

ゴア通路の驚くべき事実

〜「ミモザの島に消えた母」(1)〜

  ゴア通路の驚くべき事実   離婚することになったアントワーヌが荷物をダンボールに入れている。 「ゴア通路の驚くべき事実」という古ぼけた書物があった。 「この本で学んでね。ママより」と書き込みがある。 本を手にした娘のマルゴが 「パパのお母さんって溺死した人?...

信じてほしい、愛する人よ

〜「チョコレートドーナツ」(41)〜

  信じてほしい、愛する人よ   ルディがデビューした。 最前列にポールが聴きにきている。 「人は誰でも守られるべきだといい その一方で打ちのめされろという はっきり見える もう1人の私が この壁の向こうに はるか向こうに 私の光がやってくるのが見え...

ハッピーエンドが大好きでした

〜「チョコレートドーナツ」(40)〜

  ハッピーエンドが大好きでした   「マルコは心のやさしい、賢く、楽しい少年でした。 笑顔が辺りを明るくしました。 チョコレートドーナツに目がなく、ディスコダンスの達人でした。 寝る前の物語が大好きで、 せがむのいつもハッピーエンドでした」 判事や公選弁...

新聞記事を同封します

〜「チョコレートドーナツ」(39)〜

  新聞記事を同封します   ポールがタイプライターを打っている。 手紙の宛名人は、裁判に携わった判事、公選弁護人だ。 「新聞記事を同封します。小さく埋もれた記事です。 知的障害のあるマルコという少年が、3日間家を探し歩いたすえ、 橋の下でひとり死んだそうです。...

正義などないんだ

〜「チョコレートドーナツ」(38)〜

  正義などないんだ   「正義などないんだ」嘆くポールに ロニーは「法律学校で最初にそう教えられなかったか?」 母親に引き取られたマルコは元の生活に戻った。 ドラッグをやって男を引き込む母親はマルコを廊下に出し 「ママがいいというまでそこにいるのよ」 マ...

お手上げだ。母親には勝てない

〜「チョコレートドーナツ」(37)〜

  お手上げだ。母親には勝てない   ポールとルディには、マルコへの接近禁止命令が出された。 「お手上げだ。母親には勝てない」 ロニー弁護士も音をあげた。 実の母親が責任持って子供を育てると言っている以上、 他人は手を出せない。 しかしあるべき親子の実態と...

原告の訴えを棄却

〜「チョコレートドーナツ」(36)〜

  原告の訴えを棄却   再審に臨んだポール側は判事の意外な言葉を聞く。 「原告の訴えを棄却するまえに、母親の証言を」 「棄却とはなんです。いきなり説明もなく棄却するのですか」 法廷に現れた証人はマルコの母だった。 「いつ出所を?」 「ディレオンさん(母親...

ゲイの場合、勝ちは不可能だ

〜「チョコレートドーナツ」(35)〜

  ゲイの場合、勝ちは不可能だ   ポールとルディは控訴を決め ロニー・ワシントン弁護士に依頼した。 「判事とマルコの公選弁護人が僕たちに偏見を持っている」 「黒人のオレは偏見にさらされない? 白人の弁護士にことごとく断られたのだろ? ゲイの場合、まず勝ち...