ゲイ映画のキメ台詞

二度と戻らないわよ

〜「中国の植物学者の娘たち」(43)〜

  二度と戻らないわよ   アンは意を決する。 この植物園と父から去ることはできない。 そう思っていた。しかしもうリー・ミンか、父と植物園か、 どちらかを選ばねばならない。 「父にここを離れると話してくる」 そういうアンに「二度と戻らないわよ」 言わ...

お父さん、お酒…

〜「中国の植物学者の娘たち」(41)〜

  お父さん、お酒…   舞台となっている崑林は崑崙。雲南省の省都です。 亜熱帯の雲南は雨が多い。 植物園にもけぶるような雨の降る午後。 機嫌がおさまらず、自分の茶碗におかずをよそい、教授は プイと自室に引っ込んだ。 「お父さん、お酒」とアンが差し出したが...

彼女が出て行くなら私も

〜「中国の植物学者の娘たち」(40)〜

  彼女が出て行くなら私も   「出て行け、失せろ」教授は怒鳴る。 アンが黙ったままリー・ミンのそばにより、 「彼女が出て行くなら私も」 「お前、変わったな。自分の娘とは思えん」 教授はどこか力なくつぶやきます。 息子夫婦が新婚旅行に出発する時の、プラット...

お前をこの家に入れたのが間違い

〜「中国の植物学者の娘たち」(39)〜

  お前をこの家に入れたのが間違い   教授の呪詛は続きます。 「波風を立て、災いをもたらす張本人だ。 お前をこの家に入れたのが間違いだった。 お前がいる限りわが家に安らぎはない」 しかし、リー・ミンを嫁にすると決めたのは自分でしょ。 本人に打診もせず、息...

たかが数株のボタンでしょ

〜「中国の植物学者の娘たち」(38)〜

  たかが数株のボタンでしょ   父の教授は怒っています。 「この特殊なボタンは雨に弱い。なぜ守ってやらない」 従順なアンが珍しく口答えします。 「間違いは誰にでもあるわ」「言う通りやれ!」 そこへ現れたリー・ミン。 「たかがボタンの数株でしょ。アンをまる...

私は恐ろしいほど孤独だった

〜「中国の植物学者の娘たち」(37)〜

  私は恐ろしいほど孤独だった   植物園には大きな温室があります。 アンは幻覚作用を起こす植物を植え、陶酔することがあります。 この日、アンはリー・ミンにその作用を施しながら低い声でささやく。 「あなたが来る前、私は恐ろしいほど孤独だった。 あなたが現れ、もう...

いつか遠くへ行きましょう

〜「中国の植物学者の娘たち」(36)〜

  いつか遠くへ行きましょう   アンとリー・ミンの気持ちは離れがたく結びついていきます。 「いつかこの家を出て、遠くへ行きましょう」とリー・ミン。 「無理よ」とアン。 「私がいなくなったら、父は死んでしまう」 教授には心臓の宿痾があります。 「離れられな...

2か月後

〜「中国の植物学者の娘たち」(35)〜

  2か月後   父教授と、娘のアンと嫁のリー・ミンの3人だけになって2か月。 「アヒルの脚は売ってないのか。ここ数週間、食べていない」 揚げたアヒルの脚は教授の大好物。それが食卓にのぼらない。 「リー・ミンが嫌いなの」とアン。 教授は露天で、一人寂しくアヒルの...

彼女の傷を見た?

〜「中国の植物学者の娘たち」(34)〜

  彼女の傷を見た?   リー・ミンは植物園に帰りました。 「死ぬほど怖かった」とアンに打ち明ける。 「お父さん、彼女の傷を見た? 兄さんの仕業よ」 教授は恬淡と「たとえ何をしようと私の息子だ」 100対ゼロで息子の味方なのね。 殴られても蹴られても女は孤...