Diversity Studies

「恥ずかしい?」「少し」「そう?」

〜アデル、なんてお前はいいやつだ⑫〜

「恥ずかしい?」「少し」「そう?」モデルになって恥ずかしいかとエマが聞いています。「少し」とアデル。「そう?」「したことないから」「うれしくない?」「うれしい」女友だちを待たせている、そろそろ行かなくちゃ、とエマ。アデルはエマのデッサンを見て「好きよ。自分の顔なのに自分じゃないみたい」間をおき「その人とは長いの?」と訊...

人は自己決定できる

〜アデル、なんてお前はいいやつだ⑪〜

人は自己決定できる描きながらエマがしゃべる。「人は自己決定できる。特に自己の自由とか、自分の価値を肯定することに」独り言のように淡々と、気負わずしゃべっている。アデルも無理しなくていい自分を感じる。「読んだけど、わからなかった。実存とか、本質とか聞くと、ニワトリと卵を連想する。どっちが先かよくわからない」「それならそれ...

「人間の顔の持つ弱さ」

〜アデル、なんてお前はいいやつだ⑩〜

「人間の顔の持つ弱さ」バーで別れた翌日の下校時。校門の前にエマがいる。「近くまで来たから」。アデルは興味津々、エマを見る同級生たちをおいて走り寄る。大きな木の下のベンチでエマがアデルの顔をデッサンをする。描きながら「人間の顔の持つ弱さ。サルトルよ」とエマ。「サルトルは難しかった。戯曲のほうが好き。汚れた手とか」とアデル...

なら国際映画祭2016 「話そう!LGBT」開催

映画祭で、LGBTに焦点を当てたプログラムも! 9月17日(土)から開催される「なら国際映画祭2016」の一環として、「話そう!LGBT」が開かれます。映画、写真展やトークセッションを通じて、LGBTのリアルな姿を紹介しようというもの。 セクシャルマイノリティにスポットを当てた写真展「OUT IN JAPAN...

醜い芸術なんてものは存在しないよ

〜アデル、なんてお前はいいやつだ⑨〜

醜い芸術なんてものは存在しないよアデルとエマに感心するのは、このふたり、ものすごく勉強好きなのです。アデルはパリの名門、パスツール高校に学び、エマは高校時代にサルトルを読破した硬派。エマが美大生だと知り、アデルは「どうして美術というの?」と質問した。美しくない、醜い芸術もあるのではないかと。エマは「美しいとか、醜いとい...

「ひとりで何してるの?」「別に」

〜アデル、なんてお前はいいやつだ⑧〜

「ひとりで何してるの?」「別に」たて込むバーで、アデルが入ることに気がついたのは青い髪のエマです。彼女は猫のように近づき、カウンターにいるアデルに話しかける。「ひとりで何しているの?」「別に」「珍しいタイプね。深夜にひとりでうろついている未成年」名前を訊かれアデルと答える。「素敵な名前」だといい、「私はエマ」美大の4年...

恋は性の垣根を越える

〜アデル、なんてお前はいいやつだ⑦〜

恋は性の垣根を越える明滅する光の中で、まあみごとに、年齢不問で男ばかり。ヴァランタンは水を得た魚のように、男友だちとはしゃいでいる。アデルのそばに全身タトゥーのおじさんがいて、「恋は性の垣根を越える、幸せならそれでいい、本物の恋なら」アデルはむせるような交歓の中にいて、ふしぎと嫌悪を感じません。ヴァランタンと別れ、外に...

「アデル、ぼんやりして…」

〜アデル、なんてお前はいいやつだ⑥〜

「アデル、ぼんやりして…」アデルはトマと別れました。同じクラスの女生徒がアデルに言い寄る。ま、ちょっとキスするだけですけど、トマとは全然ちがった快感にアデルはドギマギする。そのことばかり考えていたら、夕食のテーブルで母親が「アデル、ぼんやりして、どうしたの」心ここにない娘の様子に「いいことがあったみたいね」でもアデルは...

私に何か欠けている、私がヘンなのよ

〜アデル、なんてお前はいいやつだ⑤〜

私に何か欠けている、私がヘンなのよヴァランタンは同じ高校のアデルの友だちです。彼はゲイです。アデルは彼と気があい、何でもいう。トマと初めて寝たあと、辛くなって打ち明けた。「トマにウソついているみたいで、何もかも。彼の問題じゃない、私に何か欠けているの、私がヘンなのよ」「自分を苦しめるの、やめろよ」アデルはでもわかってい...

「600ページがなんだ!」

〜アデル、なんてお前はいいやつだ④〜

「600ページがなんだ!」トマはアデルに夢中だ。デートにこぎつけた。「何か食べよう」とトマ。「ケバブがいい」とアデル。ケバブはトルコやウイグル、中東を発祥とした、野菜や肉をパンに挟み込んだ料理。アデルは大きな口を開けてかぶりつき、熱心に咀嚼。トマは健康そのものの恋人をやさしく見つめ、「君は読書家か?」と聞く。「すごく」...