私に何か欠けている、私がヘンなのよ

私に何か欠けている、私がヘンなのよ

ヴァランタンは同じ高校のアデルの友だちです。彼はゲイです。

アデルは彼と気があい、何でもいう。

トマと初めて寝たあと、辛くなって打ち明けた。

「トマにウソついているみたいで、何もかも。

彼の問題じゃない、私に何か欠けているの、私がヘンなのよ」

「自分を苦しめるの、やめろよ」

アデルはでもわかっている。

通りですれちがいざま、振り返って視線を絡ませた青い髪の学生。

アデルがトマよりも感じていたのは彼女だった。

 

(「アデル、ブルーは熱い色」)

 

 

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