Diversity Studies

いったい、どういう女だろう

〜狂気の沙汰も愛次第「あるスキャンダルの覚え書き」②〜

いったい、どういう女だろう バーバラの外観はさえない。染めた白髪の生え際がまだらに、服装もドブねずみ。シーバを見てこう思う。「いったいどういう女だろう」穴から獲物を伺う夜行性動物のように、バーバラの眼は鋭い。「ボロみたいなコートは最悪だ。でもあれは、私もあなたたちと一緒よ、というカモフラージュだ。本質は違う。...

「SOU!ルーム〜衛澤さんのちょっとええやん」VOL.14

Vol.14 猥褻は蔑まれるべきか(前編)  純チョコレートよりも準チョコレートが好きな衛澤です御機嫌よう。安もの大好き。  さて、6月となりました。 6月10日は「時の記念日」です。これは日本書紀に我が国ではじめての時計が鐘を打ったと書かれているのが、現代の暦で6月10日であることから定められたと...

あなたよ、私の分身の日記

〜狂気の沙汰も愛次第「あるスキャンダルの覚え書き」①〜

あなたよ、私の分身の日記 ジュディ・デンチとケイト・ブランシェットが真っ向勝負。見応えありましたね。ふたりの女性の執着がぶつかりあう狂気と愛の物語です。バーバラ(ジュディ・デンチ)はベテランの中学教師。教師としての スキルは充分、信頼できる相談相手として、誰もがバーバラに秘密を 打ち明けるが、バーバラには誰も...

大事だった。あなたとの日々

〜年の差恋愛「愛しのグランマ」⑪〜

大事だった。あなたとの日々 エルはまっすぐオリヴィアを見つめいいます。「大事だった。あなたとの日々。まさかまた恋に落ちるとはね。あなたには輝く未来をつかんでほしい。それが私の望みなの。あの頃の私のように」エルとオリヴィアの、文学への新たな出発を予感させて映画は終わります。恋人同士としてはハッピーエンドではなか...

本を渡しにきただけ?

〜年の差恋愛「愛しのグランマ」⑩〜

本を渡しにきただけ? たいへんだった1日が終わり、エルは宵闇が迫る頃、オリヴィアの家を訪ねます。初版本はオリヴィアに贈ることにした。「入って、入って」オリヴィアは喜んで招じ入れる。「両親よ」とエルを紹介する。エルは直ぐ帰ると告げる。外に出たオリヴィアは「本を渡しにきただけ?」と微笑みながら問いかける。そこにい...

ヴァイ母さんに会いたい

〜年の差恋愛「愛しのグランマ」⑨〜

ヴァイ母さんに会いたい ジュディは人工授精でセージを産んだ。セージは「私のパパは精子よ」としょんぼり。エルは「母さんは忙しかったのだよ。責めたらダメよ」エルのいうことは得てしてトンチンカンだけど、これなんかサイコーですね。忙しかったらどうして人工授精になるの。「ヴァイがジュディを甘やかすから、あんなわがままに...

相手は? あのクズ!

〜年の差恋愛「愛しのグランマ」⑧〜

相手は? あのクズ! どうしても金の工面がつかない。エルは娘、つまりセージの母親ジュディに会いに行く。ジュディは経営者としてバリバリ自分の会社を仕切っている。聞くなり、「相手は? あのクズ!」一刀両断。エルといい、ジュディといい、男に幻想のかけらもありません。若いセージに彼女らの世界観は怪物と同じ。「彼はダメ...

美人ね。オリヴィアは

〜年の差恋愛「愛しのグランマ」⑦〜

美人ね。オリヴィアは セージはオリヴィアに初めて会ったあと「美人ね。オリヴィアは」「そうよ。オリヴィアという、名前からして美しい。 私とは不釣合い? そう思ったでしょ」「思ってないよ」「私の詩についてエッセーを送ってきた。コーヒーに誘われた。 会うなんてバカだったけど、会ったらキュートで おまけに賢いのが、な...

私たちの4か月はなんだったの!

〜年の差恋愛「愛しのグランマ」⑥〜

私たちの4か月はなんだったの! 「私たちの4か月はなんだったの!」とオリヴィア。エル「無意味よ」オリヴィア「大嫌い!」「あらそう」「出会って後悔よ」「出会ってなんかいない」「それ、あなたの本当の姿を見ていないという意味?」「その通り」「ウソばっかり。私は見たわ。そのジコチューな姿を。でもあなたのそばにいたのよ...

「理由は?」「さあね」

〜年の差恋愛「愛しのグランマ」⑤〜

「理由は?」「さあね」 レストランの女主人が希少本を集めている。エルは初版本を売りに行った。オリヴィアがアルバイトしている店だ。オリヴィアを見るなりエルは「さっき電話したでしょ。無言で2回」「したわ」「理由は?」「さあね」「私を支配してボノボのボスになりたいからよ!」言い合いを始めたふたりに女主人は「外でやっ...