Diversity Studies

僕のせいだ

〜「Summer of 85」(33)〜

僕のせいだ   「帰って、あなたが殺した」 ゴーマン夫人は息子の事故死の原因は アレックスとの諍いであったと知っています。 彼が息子を殺したのも同然だ。 誰かのせいにしなければ、あまり突然の喪失に 耐えられなかったのでしょう。 アレックスは「僕のせいだ」と自分を...

ダヴィド、どうしたの?

〜「Summer of 85」(31)〜

ダヴィド、どうしたの?   ダヴィドはバイクに飛び乗り、アレックスを追った。 息子の様子が変だった。 「ダヴィッド、どうしたの?」とゴードン夫人は声をかけた。 息子に呼びかけた最後の言葉だ。 ダヴィドは悲劇に疾走する。 ダヴィドが翻弄したのか、アレックスが翻弄されただ...

アレックス、待て!

〜「Summer of 85」(30)〜

アレックス、待て!   ショックでアレックスは発作のように店を飛び出す。 店内の棚を倒し、商品をぶちまけ、走り出た。 「アレックス、待て!」ダヴィドの制止も振り切る。 外は明るかった。夏の陽光が降り注ぐ。 海は凪いでいた。穏やかで、平和で、何も波乱のない海岸通り。 そ...

知らないほうがいい

〜「Summer of 85」(26)〜

知らないほうがいい   「理由を聞きたい」迫るアレックスに 「しつこいな。相手が女だから怒るのか?」 「違う。古い靴下みたいに扱われた。僕を無視して 目の前で彼女を口説いた。理由を言え」 「知らないほうがいい。ただの嫉妬だ。すぐ落ち着くさ。 僕が悪かった。許してくれ。...

僕を助けたとき下心はなかったか

〜「Summer of 85」(25)〜

僕を助けたとき下心はなかったか   アレックスは理想の友だち、ダヴィドを嫉妬からなじります。 「いやな感じだな」とダヴィド。 「そっちこそ」 「後悔するぞ」「それは君だろ、何さまのつもりだ」 「僕は君の所有じゃない」 「友だちだと思っていた」 「友だち以上だろ」...

陳腐で平凡で死ぬほど悲しい

〜「Summer of 85」(24)〜

陳腐で平凡で死ぬほど悲しい   アレックスの独白。 「ダヴィドとの最後のほうは記憶が曖昧だ。 他のことは鮮明に覚えている。海で救われたこと、 出会った日の夜に映画を観たこと、バイクの疾走。 ずっと胸がドキドキして 一緒にいるだけで最高に幸せだった。 終わりの始ま...