アレックス、待て!

アレックス、待て!

 

ショックでアレックスは発作のように店を飛び出す。

店内の棚を倒し、商品をぶちまけ、走り出た。

「アレックス、待て!」ダヴィドの制止も振り切る。

外は明るかった。夏の陽光が降り注ぐ。

海は凪いでいた。穏やかで、平和で、何も波乱のない海岸通り。

そこに止まってさえいたら何も起こらなかったのに。

 

〜「Summer of 85」〜

 

 

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