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やめろ、もうなにもいうな

〜モーリス⑤〜

やめろ、もうなにもいうな 「これは許されぬ罪だ」とモーリス。クライヴ「やめろ、もうなにもいうな。君は実に紳士的だった。そのために僕は友の友情を別の感情に取り違えてしまった。許してくれ」モーリス「君が好きだ。君と同じだ。最初から君をずっと愛していた」クライヴ「僕を慰めようとしているなら忘れてくれ。相手が君でよ...

「君が好きだ」「バカ言うな」

〜モーリス④〜

「君が好きだ」「バカ言うな」 モーリスがやさしくクライヴの髪を撫でる。どっちもネクタイを締め、白いワイシャツを着て…とってもきちんとしていて、スッポンポンのベッドシーンとえらいちがい。ある日とうとうクライヴは告白します。「君が好きだ」「バカ言うな」とモーリス。ね、クライヴが働きかけ、モーリスが拒絶した、この...

「クライヴだね」

〜モーリス③〜

「クライヴだね」 ケンブリッジ大学に進学したモーリスに運命の出会いが。クライヴです。プラトンの翻訳クラスで意見が分かれました。「愛する者は友といることを無上の喜びと思い、あらゆる機会をとらえ友の体に触れる」そこで教授が口を挟み「ギリシャ人とその悪習は訳すな」クライヴが異を唱えます。「男性の肉体美への憧れ、精...

僕は結婚しません

〜モーリス②〜

僕は結婚しません   先生は「君の体は神の神殿だ。その神殿を汚してはならない。いつの日か、 愛する女を妻に迎えれば君にもわかる。その女に仕え、彼女を守り、 子供を持つことが人生最大の幸福だということが」 するとモーリスが真剣に言います。 「僕は結婚しません」 モーリスははっきりとではな...

お母さんから君に話せないことだ

〜モーリス①〜

お母さんから君に話せないことだ BLの傑作「モーリス」。冒頭の海岸風景が美しい。先生が卒業を控えたモーリスに話しかける。「お母さんから話せないことを言っておこう。君の体はこれから変化していく。つまりセックスの話だ。この世の生物はすべて生殖行為を行う。君のメムブラム・ビリリスが大人になると大きくなる」メムブラ...

旅行記ができたら読ませて

〜「四角い恋愛関係」㉕〜

旅行記ができたら読ませて 大好きなヘックのことも書かねば。ヘックは脱サラし、念願のトラベル・ライターとして取材に飛び回っています。この日、飛行機の席が隣り合った女性に声をかけられる。旅行記を書いているというヘックに、出版したらぜひ読ませて、と頼む素敵な黒人女性はタンディ・ニュートン。パーカー監督の奥さんのカメ...

「寒いね」「さむ〜」

〜「四角い恋愛関係」㉔〜

「寒いね」「さむ〜」 このシーン、さりげなく、それでいて幸福感の漂ってくる、とてもいい場面。冬木立ちの空、秋も深まるロンドンの公園のベンチにルースが座っている。レイチェルがカップコーヒーを二つ、手に持って隣に腰掛ける。一つをルースに。ルースは手のひらに包み「寒いね」「気持ちいい」とレイチェルは言ったものの「や...

Happy Together

〜「四角い恋愛関係」㉒〜

Happy Together 長旅に出ると空港に向かったルースを、レイチェルが追いかける。車にレイチェルの両親、ルースのママが乗っている。ルースにケータイで「事情が変わったの」と呼びかけるが、ルースはどん底です。「あなたには無理よ」とだけ言って切る。あなたに家庭は捨てられない、そんなことをさせるつもりもない、...

正直に生きろ

〜「四角い恋愛関係」㉑〜

正直に生きろ レイチェルは両親に離婚を告げる。「ヘックみたいないい人と? 相手はだれ。女たらしのクープね!」とママ。「彼女の名はルースよ」「彼女? つまり女同士で愛し合ってるってこと?」混乱する母親に、それまで尻に敷かれていたパパがモゾモゾ喋り出します。パパ役はアンソニー・ヘッド。女優脇役陣ばかりでなく、彼も...