お客様がいるときはおよし
息子のサロモがピアノを弾いている。
「サロモ、お客さまがいるときはおよし」ブレンダが止めた。
カフェにいたのはジャスミンだ。
「ふん、あんなデブ女」
娘が娘なら、息子も息子。まったく品下る連中です。
「お金を払ってくださるお客さまだよ」とブレンダが注意した。
ジャスミンへの態度が軟化しています。
相変わらずジャスミンは他人事のように、カフェ内の人模様を
興味深げに見て微笑んでおり、
無礼な息子に腹を立てた様子もありません。
ブレンダでなくとも
(ジャスミンとは何者?)という気がしてきます。
〜「バグダッド・カフェ」〜