監督 パーシー・アドロン

ブレンダと相談するわ

〜「バグダッド・カフェ」(31)〜

  ブレンダと相談するわ   「結婚してくれるかい?」とルディ。 「ブレンダと相談するわ」とジャスミン。 ジャスミンにとってブレンダはもはや家族同様。 どっちが姉貴分か妹分かわかりませんが、 一番知らせたい相手がブレンダなのです。 祝福してくれるのはわかっ...

ジャスミン、ずっとここに?

〜「バグダッド・カフェ」(30)〜

  ジャスミン、ずっとここに?   画家のルディがジャスミンに聞きます。 彼はハリウッドで映画の背景を描いていたのです。 「ジャスミン、ずっとここに? だとすればまた以前と同じ問題が起こる。 労働許可証とか、ビザとか。 そういう面倒を避ける方法がある。 ...

ここは砂漠のオアシス

〜「バグダッド・カフェ」(29)〜

  ここは砂漠のオアシス   バグダッド・カフェは活気を取り戻した。 運転手たちはギアを落として一休み。 バグダッド・カフェのショータイムだ。 ここは砂漠のオアシス。 ブレンダもジャスミンもおもてなしが板につき、 垢抜けてスタイリッシュです。 ブレン...

仲が良すぎるわ

〜「バグダッド・カフェ」(28)〜

  仲が良すぎるわ   でも「仲がいい」ことに居心地の悪さを感じる人もいます。 刺青師のデビーがそういう種類の人でした。 カフェのみんなが嫌いでもない、憎んでもいない、 ただ「家族団欒」とか「仲良し、こよし」が苦手な人。 アットホームな雰囲気にいると、理由もなく...

「ブレンダ!」「ジャスミン!」

〜「バグダッド・カフェ」(26)〜

  「ブレンダ!」「ジャスミン!」   息子のサルも、娘のフィリスも走り出てきた。 「ブレンダ!」「ジャスミン!」 ふたりはすぐ店には入らず、あたりを歩き回り、 空白を埋めるように座って話し込んだ。 ブレンダはジャスミンが帰ってくるという 予測はあっただろ...

砂埃を上げてタクシーが停まった

〜「バグダッド・カフェ」(25)〜

  砂埃を上げてタクシーが停まった   その日もいつも変わらない砂漠の昼だった。 砂煙を上げて店から離れた場所にタクシーが停まった。 ブレンダが目を凝らす。 タクシーから降りたのは白いスーツを来た、大きな女。 重そうな大きなトランクを下げている。 女は立ち...

ハロー、どこからかけているの?

〜「バグダッド・カフェ」(24)〜

  ハロー、どこからかけているの?   オフィスの電話が鳴った。 面倒臭そうにブレンダが取る。 「ハロー」パッと声が変わり 「ブレンダよ。どこからかけているの?」 勢い込んで尋ねた。電話は切れてしまった。 力なく受話器をおろし「ローゼンハイムね」と呟く。 ...

休業かい? チェッ

〜「バグダッド・カフェ」(23)〜

  休業かい? チェッ   いつものようにトラックを降りた運転手たち。 店を覗き、空気が沈んでいる様子に 「休業かい? レディたちは? マジックは?」なし。 「チェッ」とばかり出ていった。 ブレンダは毎日がつまらない。また鬱々とした日常に戻った。 息子のサ...

さよなら、ミス・ブレンダ
さよなら、ミス・ジャスミン

〜「バグダッド・カフェ」(22)〜

  さよなら、ミス・ブレンダ さよなら、ミス・ジャスミン   来た時と同じいでたちで、重いトランクを下げ黒いスーツを着て、 ジャスミンは別れを告げた。 「さよなら、ミス・ブレンダ」 「さよなら、ミス・ジャスミン」 ブレンダの言葉づかいは丁寧に、おしゃれにもなり...