呆れた女だ、何が狙いだい?
サロモの赤ん坊をあやしているジャスミンに
ブレンダが噛み付く。
「呆れた女だよ、何が狙いだい。あたしをコケにして。
出てっておくれ。
出ていかないと、でかいケツを銃で吹き飛ばすよ」
それだけでは言い足りず「遊ぶなら自分の子供と遊びな!」
言い捨てて背を向けたブレンダに、
ジャスミンの寂しそうな声が聞こえた。
「いないの」
ブレンダが怯んだ。
「その…なんだよ、少し言いすぎたよ。頭がどうかしていたのさ。
仕事に追われて、それに子供たちも…亭主は出ていくし」
初めてブレンダが見せた弱み。
子供のいない寂しい女と、子供がいても寂しい女が出会う。
〜「バグダッド・カフェ」〜