あんた、自分の顔がわかってんの
その夜、ライアンとのデートを断って、いつもより濃いメークで
キャシーは男を拾った。
もつれながら歩いていた。
「キャシー?」
まさかライアンと会うとは。
「まさか、彼氏持ちとは」男は嫌味を吐く。
虫の居所の悪いキャシー。
「あんた」と語気強く
「自分の顔、わかってんの? 昼間はやれないよ」
ムカついた男。「口に気をつけな」
「あんたこそ。私だけじゃないよ。マジでネジ飛んでる女もいる。
ハサミを持ち歩く女もね。試す?」
得体の知れぬ女の一方的な連打。
足元の明るいうちに、男は去る。
〜「プロミッシング・ヤング・ウーマン」〜