医大の勉強、なぜイヤに?
ライアンが週末のランチ・デートに誘った。
「医大の勉強、なぜイヤに?」と辞めた理由を聞きたそう。
「他のことがしたくて」当たり障りのない答えを聞かせる。
「君は水際だって優秀だった。能力も知識も抜群で。
誰よりも頭がよく、立派な医者になれたはず」
キャスは言われなくてもわかっている。
でもきらめいていた草原の輝きは、
無残に枯れ果て、残れる力をも、見出していない。
意識の黒い沼を抱えるキャスには
いちばん聞かれたくないうざい質問。
〜「プロミッシング・ヤング・ウーマン」〜