皆さんに会うのはこれが最後
学長主催のパーティーの席。
グラスをチンチンと鳴らしてリチャードが立ち上がります。
「私はリチャード・ブラウン。英文学の教授です」と自己紹介する。
「皆さんに会うのはこれが最後になります。
私は死ぬ。思っていたより早く死が訪れるようだ。
人生のほとんどにおいて私は間違っていた。
いつか死ぬということに感謝してこなかった」
まず妻に「ヴェロニカ、君はたいしたものだ。
私のライバルだった。
君を妻にできて誇りに思う。君なしには味気ない人生だったろう。
こういうのもナンだが、愛している、心から」
ヴェロニカは事態が理解できず、戸惑っている。
〜「グッバイ、リチャード」〜