ガンが本気を出してきた
リチャードは痛みに苦しむようになる。
「ガンが本気を出してきた」とピーターにもらす。
「痛むのか?」「ああ。でも頑張るよ。こうなるのはわかっていた。
振り返って考えると全部、納得がいく。こうなる以外にないみたいな。
こんなの、どう見ても不条理だ。それでいて完璧だ。
君がいないと寂しくなる」
「俺もだ。くそっ、泣きそうになる」
「泣くな、ピーター。俺たち、よく頑張ったよ。最高の友人だ」
「君もだ、ありがとう」
涙の愁嘆場なのですが、どこか明るい。
不条理に満ちた人生はそれでいて完璧という、
突き抜けた先の明るみでしょうか。
〜「グッバイ、リチャード」〜