キャロルが1
この映画は「人生肯定の応援歌」を見事に切り捨てています。
登場人物の扱い方にそれが顕著で、
謎の少女Aにこう紹介させる。
「キャロルが1、アルマが2、彼女の夫が3」
「そしていたずら好きな君が4」
「あなたが5番目だからナンバー5」
ナンバー5の男とはアルマの夫に雇われた探偵です。
彼もまた少女Aと同じく固有名詞を持たない。
5番目に登場するからナンバー5である。
かくも無機質なあしらいが、
どう転んでもこの映画はメロドラマと無縁だなと、
ハナから刷り込ませます。
〜「ラ・ピラート」〜