彼女は!

 

もっと自由になるのよ!

 

アルマは苦しんでいる、キャロルにはそれがわかる。

「汚れて不幸になってまで、カッコつけて。

もっと自由になるのよ」

キャロルにしたら自分への愛で板挟みになっているアルマが不憫だ。

ところがアルマは

「自由を望まないとでも思うの? 誰があなたたちと暮らせる?

2人とも退屈なだけ。私に何もしてくれない。何も!

ウンザリするだけ!」

こういう裏返しを言ってしまう。

アルマにしたら世間を代表する夫はともかく、

自分を守ろうとするキャロルをさえ、

時として傷つける自分に「ウンザリ」するのです。

どうしようもない、アルマの本質は“破滅”なのだから。

 

〜「ラ・ピラート」〜

 

 

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