道端に立つあなたを見たかった
「何も言わず、何もしなかった」とアルマが口をきる。
夫とは何も会話せず、セックスもしなかった、という意味です。
「勝手に悩んでいるわ」。ジェーン・バーキンがニコリともせず言います。
「ひどい女よね」と、どうでもよさそうに言う。
本当に言いたいのは次。
「寝入ったあなたの顔や、道端に立つあなたを見たかった。
あなたを待つの、近くのバーで。入ってくるのを見て考えるの。
“彼女よ。信じられない”
そのとき、魅惑されるという本当の意味がわかる。でも寝てくれない」
ジェーン・バーキンのセリフが一様に詩的だ。
監督脚本のジャック・ドワイヨンの思い入れがすごい。
彼は本作後、ジェーン・バーキンとパートナーとなり一子を得ます。
詩的にもなるか?
〜「ラ・ピラート」〜