聖歌隊をつくるの
ある日の授業で生徒の一人、女の子が綺麗な声で歌った。
「驚いたわ、どこで覚えたの?」とドロレス。
「ここ、音楽クラスでしょ」とちょっと照れていう。
「音楽クラスの進む道が見えたわ。聖歌隊をつくるの。決まりよ!」
でもみんなソッポ。
「聖歌隊はカンベンだぜ。格好がダサくてパンクだと思われる」
アマールが言った。「ナイジェリアでは聖歌隊に入ることは名誉だ」
スケッチが言い返す。
「関係ねえ。俺はダチに笑われたくねえ」
ドロレス「わかるわ。友だちと同じ格好の方が安心でしょ。
あんたたちの個性を期待したのが間違いね」
個性…俺たち、私たちらしさ。それってなんだ?
聖歌隊は名誉だって? 生徒たちは引き込まれた。
〜「天使にラブ・ソングを2」〜