ハンナとヒルダ叔母さんよ
ハンナとヒルダ、二人の叔母が来訪する。
レオノーラは庭に出て窓から様子を見る。
「お母さんは亡くなったの。探し歩いても無駄よ」と叔母たち。
「母は庭でバラを切っているわ」とチェンチ。
「いつもの気味悪い冗談ね」
「義父のアルバートは逮捕されたのよ。未成年暴行で」
チェンチがお茶の支度をしていると、辺りをうかがいながら
叔母たちは精巧な人形をバッグに入れる、飾り物をくすねる。
勝手にクローゼットを開け
「すごいドレス。処分するならもらっていくわ。クロキツネだわ」
「ベッドが乱れている。暖かいわ。チェンチ、あなた一人?」
「そうよ」疑い深い目をして帰っていく。
レオノーラは欲の皮の突っ張った叔母達の本性がすぐわかる。
この連中、チェンチから吸い取るだけ吸い取ってポイだろう。