君が異質だからだ
頭がいいからいじめられる、と嘆くチューリングに
クリストファーは言います。「君が異質だからだ」
頭がいいから、と自分で言うチューリングの自意識も相当ですが
「異質だからだ」といったクリストファーは
反社会性、反順応性も含め、世間と円滑にやっていけない
異界の人間のようなものを、チューリングに見ていたように思います。
誠実で努力家で勤勉で、でもいつか世間は彼をはじき出してしまう。
そんな危惧をもってチューリングを見るクリストファーの視線は
温かく理解にあふれていたにちがいありません。
どちらも数学でトップを争う秀才。切磋琢磨できる恋人同士でした。
(「イミテーション・ゲーム/ エニグマと天才数学者の秘密」 )