むさ苦しいカッペばかりよ
みんな田舎者だ。「むさ苦しいカッペばかりよ」とバカにするチチに
「住民とお近づきにならなければ」
良識派のヴィーダが折り目正しく挨拶する。
「マンハッタンから来たヴィーダよ。
部品が届く月曜日まで村に滞在するわ」
「観光できるところはないかしら」
「観光?」住民たちは呆れるが
やさしく話しかけるヴィーダに好感を持った女たちが
「都会人が喜ぶようなものはないけど、できるだけ力になるわ」
泊まる場所を提供してくれた。ボロ部屋だ。
「もっといい部屋はないの」
「これが最高よ」
ドラグクィーンはなんといっても世間知らず。
贅沢に慣れた彼らは、貧しい住民の親切に気がつきません。