「コーキー、出て」

「コーキー、出て」

 

コーキーは机の上のカバンを盗り隣の部屋に滑り込む。

ヴァイオレットがシーザーの注意を逸らす、警官が来る、死体を隠すなど、

薄氷を踏むスリリングな展開。俳優は3人、場所は密室、

盗んだ女泥棒は隣の部屋で息を潜めている。

200万ドルは、同じ重さの新聞紙の詰まったカバンとすり替えられた。

シーザーの隙を見てヴァイオレットは隣の部屋に電話する。

「コーキー、出て」祈る思い。コーキーが逃げようと思えば200万ドルごと

トンズラできるのだ。

コーキーが電話に出た。「よかった」ホゥ〜。

「ここにいるわ。あたしからは裏切らない」

信頼は成り立った…でもないのです。ウォシャウスキーはもう一度

揺さぶりをかけます。重層構造が映画の見応えを作っています。

 

(「バウンド」 )

 

bn_charm