アガサ・ワイスよ
見るも忌まわしいものを見せ、語るもおぞましいものを語る
デヴィッド・クローネンバーグ監督。作品群を、
「スキャナーズ」や「ヴォデオローム」「イグジステンス」などの
ヴァーチャルリアリティ。「怒りのメタファ」や「ザ・フライ」の異形の世界、
そして本作や「クラッシュ」「エム・バタフライ」の
性的マイノリティを主人公とした分野と、わたし、大別しています。
本作はハリウッドの風刺とよく言われるのですが、どう考えても、
クローネンバーグが三度のメシより好きな、異形・狂気・逸脱がテーマです。
貫く主軸は近親相姦。
アガサは主人公の一人。クローネンバーグは冒頭からミア・ワシコウスカを
アップで登場させます。黒い長い手袋をはめ、黒いTシャツ、顔に火傷のあとがある。
アガサが醸すミステリアスなムードで映画はスタートしました。